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2021/11/12

たった一つの花を咲かせるアセスメント

ある人の人物像を表現するとき、
「あの人は一言で言えば真面目だよね」とか
「諸突猛進といえば○○さんね」
と言って、
その人の代表的な性格をもって、全体の人となり
を特徴付け、タイプとして把握することがある
と思います。
 
人事アセスメントでも、一定の基準でタイプ分け
するものがあり、それを「類型論」と言います。
代表的なものとしては、心理学者のユングの
タイプ論をベースに開発されたMBTIがあります。
またアセスメントとは違いますが、4つの血液型で
性格を特徴づけるやり方も類型論的アプローチと
言えるでしょう。
 
この「類型論」は、その人の特徴を簡単に把握
できる良さがあるのと、各類型の強みや課題、
適合し得る職種、さらには違う類型の人との
相性分析を提示しているものもあり、類型毎の
情報が豊富にあることも良さと言えます。
 
ただ、この「類型論」、デメリットもあります。
二人の人物が同じ類型として判定されると、
違いがないように見え、本来存在するであろう
二人の差異や特徴が隠れてしまいます。
また、その類型が強く印象付けられると、本人が
「私は〇〇タイプだ」と思い込み、その型から
飛び出しチャレンジすることを、無意識に押さえ
込む可能性も出てきます。
 
人事アセスメントには、もう一つ代表的な形式が
あります。それは「特性論」というものです。
 
「特性論」のアセスメントは、受検すると複数の
指標が提示され、それぞれが量的にどの程度
高いか低いかが分かります。尺度は、アセスメント
によって違いますが、例えば0から10の尺度で
あれば、主張性9、慎重性3、楽観性8.5と
いった形で、それぞれの指標の高低が提示され、
その人特有の結果となります。前述の「類型論」と
は違って、複数の人が全く同じ結果になることは
ほとんどないでしょう。
 
そして、この「特性論」のアセスメントを読み解く際、
重要なポイントとして挙げられるのが、
「幾つかの指標を組み合わせて解釈をする」
ということです。
 
特性論で開発された当社のアセスメント、
Human Finderの指標(※)を使って、具体的に
組み合わせの解釈を例示したいと思います。
※)人格の構成要素として32指標を持つ
 
例えば、A、Bさんの結果がここにあるとします。
両者ともに、主張性(自分の考えを明確に伝える)
がとても高いという結果となりました。
これだけ見ると、二人とも自己主張が強く、自説
を展開し相手を説得することは得意そうです。
 
しかし、他に高く出ている指標を見てみると、
Aさんは、共感性(他者の気持ちを重視する)
Bさんは、徹底性(細部にこだわる)
がとても高いという結果でした。
 
Aさんは、主張性と共感性が両方高いことから、
一方的に自分の考えを伝えるのではなく、
相手の立場を尊重しながら双方向に話し合いを
進めて合意形成していくというアプローチが得意
そうです。
 
一方、Bさんは、徹底性が高いので、自分の考え
を伝える前に、話す内容を順序立てて組み立て、
説明するときは、分かり易く丁寧に説明していく
という持ち味が窺えます。
 
主張性の高さだけだと同じような二人でしたが、
違う指標を組みわせていくと、アプローチに
大きな違いが出そうということが分ります。
 
今回は主張性を軸にした組み合わせを提示
しましたが、指標同士の組み合わせは無数(※)
にでき、そこに解釈を加えていくことで、様々な
その人の特長が見えてきます。
※)32指標で2つだけの組み合わせだけでも
496パターンできる。
 
このように「特性論」は、その人の個性を多面的
に分析する上では、非常に有効なアプローチと
言えますが、難点は、その解釈方法習得に時間
を要するということです。わたしたちも、お客様に
効率的に学んで頂く工夫を色々としておりますが、
一定時間要することは避けられません。
 
しかし、一旦習得してしまえば、メンバーの普段
見えてこなかった持ち味がたくさん見え、それを
本人にフィードバックすることで、大きな動機付け
になることも確かな事実です。
 
組織メンバーを、類型論的に、幾つか限定された
種類の“花”としてみるか、それとも、それぞれ色
も種類も大きさも違う固有の“花”として見るかは、
企業風土やマネジメントスタイルによるところが
大きいでしょう。ただ、今後の経営に益々求めら
れる“社員の個性の把握”という観点で言えば、
それぞれが持つユニークな持ち味を把握し、
オンリーワンの花を綺麗に咲かしてもらう、
そんなマネジメントが、より大切になってくると
考えております。
(2021.11.11 柿沼昌吾)