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2021/12/24

二つの共感力

本年3月より隔週でお届けしてきましたメルマガ
ですが、今回で20回目になり本年最後の配信と
なります。来年も皆様のお役に立つような情報を
お届けできるよう努めて参りたいと思います。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
今回のメルマガは、1on1やコーチングで必要と
される共感力についてお話したいと思います。
 
さて、いきなりですが、共感とは何でしょうか?
その定義については、心理学者や人財育成の
会社が、それぞれの解釈で提示しております。
共感を深く研究し、それについての著書も出して
いる心理学者のポール・ブルームは、二つの
共感を提示しています。今回はそれを基に話を
進めたいと思います。
 
一つは「情動的共感」と呼ばれるもので、これは、
相手の立場に立って話を聴き、感情移入まで
するものです。よく、友人から悩み相談を受ける
時なんかは、この「情動的共感力」で、一緒に
悲しみ、喜びを共にするのではないでしょうか。
 
もう一つは、感情を挟まず理解を示していくもの。
これを「認知的共感」と言います。相手の話全体
の把握に努め、話し手の感情の変化なんかも
捉えていく、そんな共感の仕方を意味します。
 
話し手の話す内容を“映画”にたとえるのなら、
「情動的共感」は、聴き手が、主人公(話し手)と
共にその物語に没入し、同じように喜怒哀楽を
感じる。一方「認知的共感」は、少し引いた目で
映画全体を鑑賞し、言わんとすることを理解しよう
とする評論家的な見方になるのかもしれません。
 
そして、「情動的共感」は、感情が入った聴き方
になるので、その内容について聴き手が主観的
に判断することも多くなります。例えば話し手が、
「昨日、新規顧客から注文もらいましたよ!」
と話したら、聞き手は、
「お~それはすごいことだよ、私も嬉しいな~」
といった返答になります。
 
一方、「認知的共感」は、主観的判断なしに、
客観的に理解するものですので、聴き手は、
「新規のお客さんで受注が取れたんだね~
なんか表情も晴れ晴れしているね」
といった反応になるでしょう。
 
「認知的共感」は、やや相手に距離感を与え、
「情動的共感」の方が、人間味があり温かく、
コーチング等には適しているように思われます。
しかし、この共感には大きなデメリットが潜んで
おり、ポール・ブルームもこの「情動的共感」を
『反共感論』という著書の中で批判的に考察し
ています。
 
例えば、話し手が、自分の上司の言動について
ネガティブなことを言い始めたとします。その時、
聴き手が、情動的に聴き、話し手にスポットライト
当ててしまうと、両者の間に同情が生まれます。
そうなると、話し手の正当性が強化され、上司と
の関係性がますます悪化し、結果として、本人が
さらに苦しむ状況になるかもしれません。
 
スポットライトを消し、全体を鳥瞰的且つ認知的
に聴けば、その聴き手の冷静な反応から、自分
を客観的に見つめ直す時間が出現してくると
思われます。そして、自分の改善余地にも目を
向けられれば、上司との関係にも少なからず
良い影響が出てくるはずです。
 
これらを踏まえると、コーチングや1on1では、
「認知的共感」を中心に置く必要があります。
そして、話し手の話す意欲を削がないよう、全体
の1割から2割ぐらいは、情動的に反応すると
良いでしょう。私の場合、「情動的共感」に
スイッチする場合、こんな風に返しています。
「ここは一旦コーチの帽子を脱いで話しますね、
それ、めちゃくちゃ良かったですね!すごい!」
といった感じに。(意図的に切り替えるというより、
話を聴いていて感情が抑えられず、反応すること
も多いですが)
 
さて、皆さんは、もともとはどちらの共感が出易い
でしょうか?
当社が扱うアセスメント、HumanFinderの指標
にも共感性(他者の気持ちを重視する)というもの
があります。指標は、高ければ高いほど良いよう
に思われがちですが、この指標が高過ぎると、
どちらかというと「情動的共感」を優先してしまう
傾向が生まれ、1on1ような場面で、上記に挙げ
たような課題が出てしまう方もいらっしゃいます。
まずは、ご自身の共感傾向を把握し、今回は
1on1やコーチングでの共感を解説しましたが、
TPOを踏まえて、共感の仕方を調整していくと
良いかもしれません。

 
 


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